フィラリア
 フィラリアとは、犬の心臓に寄生する30cm程の細長い虫です。
 寄生すると血液の循環が悪くなり、肝臓・腎臓・肺など多くの臓器に異常をきたします。
 特に小型犬は心臓も小さいので、少数寄生でも重い障害を起こします。蚊が媒介昆虫と
 なって感染するもので、フィラリアに感染している犬を吸血した蚊の体内で成長し、その
 蚊が別 の犬を吸血するときに体内へ侵入します。フィラリアを媒介する蚊は、主に
 トウゴウヤブカやアカイエカ等のヤブ蚊類ですが、シマカ等も該当します。
 フィラリアの寄生を確認するには血液検査と免疫診断で確認することができます。
 血中のミクロフィラリアは夕方ごろに多くなるので、血液検査 ( ミクロフィラリア検査
 /子虫検査 ) では見逃すこともありえます。
 蚊が発生する季節を迎える前に、昨年中に感染したかどうか確認しましょう。
 昨年に薬の投与を忘れた、など感染の疑いがある場合には免疫診断 ( 抗体検査 )で
 確認をした方が良いでしょう。また、寄生数が少ない場合やオス虫単性寄生等の場合には
 免疫診断で偽陰性になることがあります。検査結果は、胸部レントゲン検査や超音波検査
 なども含めて検討する方が良いでしょう。

犬のフィラリア症は感染すると、心不全を起こし、最後は死亡してしまいます。また三尖弁に絡み
付くと厄介で、右心不全を起こし、失神したり、運動不耐性となったりします。これらのエコー所見は三尖弁逆流をおこし、右心系に負担がかかっている様子をしめしています。

 感染してしまった場合の対処法ですが、まず急性症の場合、一刻も早く手術を行い、
 大静脈から詰まっている虫を摘出します。
 また慢性症では進行症状によって違いますが、基本的には投薬で現在の症状を進行を
 止めます。末期で腹水の貯留が著しい場合には外科的に除去することも有ります。中等度
 から末期にかけて右心室肥大がある場合には、病状の進行を止めて症状の改善に務め
 ますが完治することは出来ません。

 フィラリアの寄生を予防するには、蚊のいる時期(5月〜11月)に月に一度、体重に
 合った量の薬を投薬するだけです。薬は錠剤、粉の外に最近ではビスケット状や
 ジャーキー状になったものがあります。

 フィラリアは感染してしまったら、大変なことになってしまいますが、薬をきちんと
 飲めば
ほぼ確実に予防する事ができます。ワンちゃんの健康の為にも、正しい知識で
 きちんと予防しましょう。

三尖弁に絡みついたフィラリアを摘出(フィラリア摘出手術)
これにより失神の回数は激減しましたが、2ヵ月後に死亡してしまいました。

私たちの病院はペットの病気についても何回かの市民公開講座を行っています。
これはそのときのスライドショーの第一ページ目です。