2004年08月の更新情報

2004.08.30 初期の乳腺腫瘍
このワンちゃんは6歳ですが、避妊手術の際に乳腺腫瘍がいくつかみつかりました。術中のものですが、この程度で発見してもらい連れてきて
摘出をすると再発転移も少ないと思います。残念ながら以前には肺に転移した乳腺癌のため安楽死となった例を出しましたが、そうならないため、是非とも早期発見と早期摘出が必要です。それと摘出した組織が悪性であるか病理組織検査に出して確認をする必要があると思います。
これからは、出てからの治療よりも出る前の予防医学が大切だと思います。この例では1個の乳腺の横に軽度のリンパの隆起がありますが、これだけを摘出するのではなく、その前後も摘出するべきで、何故ならこの乳腺は縦方向にリンパ管でつながっているので、再発の可能性があるためです。そのため、たかがこんなに小さいものを、こんなに大きく切り取るなんて思うかもしれませんが、腫瘍に関しては出来るだけ大きくとることが再発の予防になります。

2004.08.18 軟繊維腫(良性腫瘍)
5歳のパグ犬ですが、写真のとおり腹部より発生した腫瘍が下垂して地面に着くぐらいになって来意されました。この手の腫瘍はほとんど良性が多いのですが、生活する上では不便なので摘出をして病理組織検査に出してみたのですが、やはり良性腫瘍(軟繊維腫)とのことでした。
しかし、中には皮膚の腫瘍で小さくても悪性のものも多いので、決して安心をしないで下さい。疑わしきはバイオプシー(細胞、あるいは組織検査)をして確認をしましょう。いまだから、良性だから言えるのですが、この写真、飼い主の方には申し訳ないのですが、ちょっと笑ってしまいそうで困りました。

2004.08.15 老齢性前庭疾患
最近、老齢性前庭疾患に遭遇することが多くなりました。これは脳内の前庭部に異常がおき、車酔いと同じような現象が起きてしまいます。また特徴的なのは斜頚といって首が片側に曲がり平行感覚がなくなってしまうことです。外耳道炎との鑑別も重要です。まだ原因はわかっていませんが、自然に1,2週間で改善されることもありますが、経験上では動揺病抑制薬(例:ジフェンヒドラミン)やステロイドを併用したほうが早く改善されます。写真の例は典型的なものですが、約1週間ほどの投薬後にほとんど斜頚もなくなりました。老齢だからといって諦めないで下さい。みんな年をとるのです。そのためにこんな病気もあるということを頭のどこかに入れておいてて下さい。

2004.08.11 内科アカデミー学会に行ってきました。
上記どおり、このめちゃ厚い中、東京へと行ってきました。札幌からは開業の先生方は約10名ほど参加されていました。しかし、登録人数は2.000人近いと思われます。それほど盛大でしたが、かなり学生がいたからでしょう。これから獣医界も大きく変化していく狭間にいるような気がしました。若い先生が海外で専門医の資格を取って帰国して開業する、このようなパターンが最近多くなっています。このような先生方は非常に才能とバイタリティーにたけており、英語を自由に使い、まさに
私などの凡才からみれば魅力的に見えると同時にある種の嫉妬も感じてしまいます。しかし、そんな海外の情報を沢山持ってこられて日本の獣医師に還元してもらうのは大変ありがたいし心強いですね。アメリカでも統計を取ると死因の一番は犬猫ともに「癌」だそうです。今後は診療のほうもそちらのほうへシフトしていく必要があるでしょう。続いて心臓病であり、今回は私は循環器の専門医(日本での)の資格をとるためにいくつかのレクチャーを受けました。しかし、まだ道は遠そうですがこつこつやるしかないでしょうね。以上、報告でした。

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